Kogepan

平凡な情報系大学院生 Kogepan が書きたいことを書くブログです。

今更ながら、好きな本「ISSUE DRIVEN」について語ってみる

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こんにちは、Kogepanです。

普段から、割と本を読むのは好きなのですが、その中でも名著である「ISSUE DRIVEN」はかなり好きです。研究はもちろん、普段の思考においても非常に影響を与えてくれた本ですので、少し語ってみようかなと思います。


どんな本?

ヤフー株式会社 執行役員 事業戦略統括本部長である安宅 和人さん1 が執筆されています。

ヤフーでCSOをされているのは有名ですが、新卒でマッキンゼーに入社、イェール大学では4年弱でPh.D.取得と、いわゆる天才と呼ばれる方です。

内容の紹介

一言で言うと、生産性を高めるためには、「それは本当に解くべきイシューなのか」を考えることから始めるべきだと主張している書籍です。

ここで言う生産性とは、「どれだけのインプット(投下した労力と時間)で、どれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか」と定義されています。

生産性を上げるには、「同じアウトプットを生み出すための労力・時間を削り込む」か、「同じ労力・時間でより多くのアウトプットを生み出す」必要があります。もちろん、ここで言うアウトプットとは「ビジネスパーソンとして顧客から対価を得るに足るもの」、つまり「バリューのある仕事」でなければなりません。

バリューは、「イシュー度」と「解の質」という2つの軸で測ることができます。

「イシュー度」とは「自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」、そして「解の質」とは「そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」となる。

つまりバリューのある仕事とは、顧客にとって「答えを出す必要性の高い課題」を見極め、その課題に対して「質の高い明確な答え」を出すことです。多くの人は、とにかく時間をかけて「解の質」を高めることがバリューにつながると考えがちですが、本書ではこうした仕事のやり方を否定し、「課題の質」こそ大切だと説きます。なぜなら、「イシュー度」の低い仕事は「顧客にとって解決する必要性の低い本質的ではない課題」であって、それに対して「解の質」をいくら高めようと、顧客から見たときの価値はゼロに等しいからです。

仕事の生産性を高めるには、「解決すべきイシュー」を見極めることで、余分な時間・労力を削るとともに、顧客にとって価値あるアウトプットを生み出す必要があるのです。

また、イシューの見極めには、「具体的な仮説を立てること」と、それを「言葉にすること」が必要です。

仮説を立てなければ、そもそも「答えを出し得るレベルのイシュー」にすることができませんし、何が「本当に必要な情報や必要な分析」なのか判断もできません。

具体的な仮説を立てることで「自分が何をどこまで調べるべきなのか」が明確になり、ムダな作業が減り、生産性が上がります。

感想

本書が出版されたのは2010年ですが、いまだにベストセラーとして売れ続けています。研究を行う中でも非常に勉強になる内容であることはもちろん、今後のキャリアの中でも参考になる内容だと思います。

考えても答えが出ない「悩む」と、考えれば答えが出るであろう「考える」は違う。これには非常に考えさせられました。「今悩んでしまっている」と自覚できるよう、訓練をしていく必要があります。

  • 課題を見極める
  • 課題に取り掛かる
  • 解決した課題について伝える

いくら質の高いものを生産できても、それが本当に必要とされているのか、生産する目的を見極める必要があります。課題を見極め、具体的な仮説を立て、それを検証しながら活動することが意味ある仕事や研究につながるのだと思います。

私は特に仮設思考が弱いと感じていますが、仕事が早い人は、課題に取り組む前に具体的な仮説を立てているように感じます。具体的な「仮説」を立てることによって、ある程度の方向性が決まってくるため、必要な情報収集や分析を明確に行うことができ、結果的に、労力と時間をあまりかけずに、仕事を終わらすことができるのでしょう。

これからも「バリューのある仕事」にエネルギーを注いでいきます。


  1. 1968年富山県生まれ。東京大学大学院生物化学専攻にて修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。4年半の勤務後、イェール大学・脳神経科学プログラムに入学。平均7 年弱かかるところ3年9カ月で学位取得(Ph.D.)。2001年末、マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域における中心メンバーの1人として、飲料・小売り・ハイテクなど幅広い分野におけるブランド立て直し、商品・事業開発に関わる。また、東京事務所における新人教育のメンバーとして「問題解決」「分析」「チャートライティング」などのトレーニングを担当。2008年よりヤフー株式会社に移り、2012年よりチーフストラテジーオフィサー。幅広い事業戦略課題・大型提携案件の推進に加え、市場インサイト部門、ビッグデータ戦略などを担当。データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員ほか公職多数。2018年より慶應義塾大学環境情報学部教授。著書に『シン・ニホン』(NewsPicksパブリッシング、2020年)。